晩冬さんぽ
市場でサンシュを見付けて
スワッグを作ると
今年は暖冬だから
もしかしたら
「もうサンシュが山にも咲いているかも」
とソワソワ
芽吹きの始まらない早春
サンシュは
まだ動き出さないように見える
山の植物が多い中で
黄色い灯りのように
ポンポンと咲く
春を告げる木です
サンシュの木がたくさんある森を
「サンシュの森」
と自分の中で名付けて
例年なら3月下旬頃でしょうか
見に行くのを楽しみにしている場所があります
標高が少し高くなっただけで
気候がだいぶ変わり
やっぱり
帽子を被ってくれば良かったと思う風の冷たさ
サンシュの蕾はまだまだ固く
早春と呼ぶにもまだ早過ぎました
でも
晩冬の森で
今まで気付かなかった
美しいものにたくさん出会う事が出来ました
夏から雨風に晒されて
山紫陽花の装飾花はレースのように
透き通っています
倒れた木は苔生して
苔には花?
花ではないけれど、
胞子体と言って
ここから胞子を飛ばして
苔は増えるのだそうです
小さいながら
横に広がって子孫を残そうとする
苔の生き方も賢いですね
光を受けて
キラキラしている木に
近づいてみると
カエデの実が、まだ残っていて
風に揺れています
あちらの木もそうなのかな?
と行ってみると
コブシの銀色の蕾でした
夏は水が冷たくて気持ちいい川も
今はきっと刺すように冷たいでしょうから
せせらぎの音に耳を傾け
プクプク立つ泡を見ているだけでも十分
あまり厳しくなかった今年の冬
いつもなら
春を待って待って待ち侘びるのに
今年は
冬が行ってしまうのも
寂しさを感じます
思えば初めての事かもしれません
冬にさようならと
心を込めて言いたくなりました