お月見と万葉の草花 2022.9.9
月齢13.1
月の出 17:47
月の入り 3:28
今日の草花 『桔梗』
「朝顔は 朝露負日て咲くといえど
夕影にこそ咲きまさりけれ」
巻十 2104 詠み人しらず
“朝顔は朝露を受けて咲くと言うけれど
夕方の薄暗い光の中でこそ
輝いて見える”
朝顔が夕方こそ輝いて見えるなんて
珍しい朝顔ですね….
という話しではないようです。
『朝顔』は
「秋の七草」として山上憶良の
歌にも出て来ます。
「秋の野に 咲きたる花を 指折りかき
数降れば 七種の花」
「萩の花 尾花 葛花 撫子の花
女郎花 また藤袴 朝顔の花」
巻八 1557 1538
今で言う『朝顔』は
奈良時代末期か、平安時代に
中国からもたらされた帰化植物。
仮に、奈良時代末期に
入って来たとしても
山上憶良が秋の野原代表的な草花として
詠むには不自然。
901年頃の 日本で最初の漢和辞典
「新選字鏡」の中の
「桔梗」の説明に「阿佐加保」とある
ことからも
この時代の「朝顔」は「桔梗」
の事を指す説が有力です。
昼顔、木槿説もあるそうですが
薄暗い光の中でこそ美しい…のは
私も やはり桔梗かなと思います。
お月様をほとんど拝めないうちに
明日は十五夜です。
月の美しい夜が恋しくなって来ました。
それでは、また、明日に願いを込めて。