続きです
その幸せとは
植物を見つめる
ゆっくりとした時間の豊かさでは
と思うに至りました。
今、レッスン6、7で登場する
カラスノエンドウを
乾かしています。
道端にもよくある
春の草花です。
もしも
私が農婦で
これから耕そうとしている
畑にあったら
多分、抜いてしまうか
豆科の植物には栄養があるので
畑の中に漉き込むかもしれません。
頭の中に描く映像は
これから蒔こうとする種や苗の
育ち具合のことでしょう。
カラスノエンドウは
あっという間に過去の出来事になって
忘れてしまうでしょう。
もしも
小さな女の子だったとして
緑色のとても綺麗な草花だから
お母さんにプレゼントしてあげたいなと
思って摘み始めた時
描く映像は
「まぁ、ありがとう!」と
喜んでくれるお母さんの笑顔でしょう。
もしかしたら
ハコベでも
タンポポでも
お母さんが喜んでくれるなら
何でも良かったのかもしれません。
これからカラスノエンドウを
乾かしてブーケやリースを作ろうとした時
必然的に
カラスノエンドウに関わる時間は長くなります。
どんな風に乾くだろう
この巻きひげのようなツルは綺麗に
乾いてくれるだろうか
野原では隆々と逞しく見えるけれど
1本1本は中が空洞で折れやすい
野原で摘んだものを
いざ、バラして乾かそうとすると
絡まってしまっていて
ほどくのも一苦労、
慎重にしないと折れてしまうことも…
でもこの空洞が
しなやかである為に必要で
だから
寄りかかれるものには
同じ仲間であろうと
フェンスであろうと
寄りかかって
もつれあって
全体として
広がって行く事が出来るのね。
葉の付け根の黒い点は
虫が付いているのかなと
思ったら
蜜腺とのこと
甘い蜜で、誰を誘いたいのでしょう。
(アリだそうです!花や葉を食べてしまう
虫を追い払ってくれるボディーガードを
期待して)
カラスノエンドウ一つにしても
これだけ色々と思いを巡らせる時間が
あるのですから
色々な植物に感動していたら尚更のこと
ゆっくりとした豊かに過ごす時間は
飽きる事がありません。
目に映る全ての植物が美しく
一斉に語りかけて来ます。
地球の歴史に比べたら
ほんの一瞬であったとしても
こんなに美しい世界に
存在させてもらえた
幸せを感じます。
この四季の移ろいの雅な島々に暮らす
私達にとっては
気付きさえすれば、いつでもそばにある幸せを
皆さんにも
より深く感じて頂けたら
それが
花結草としては一番嬉しいのです。
今日は これから
川原へ イヌナズナを摘みに行きます。
乾かすと
明るいグリーンの茎や種
小さな黄色い花が
一層綺麗です。
それではまた。
次回に続きます